関節7つの精密機能(目次)
.
➡関節1)応力を分散させる免震機能-関節包内運動-
➡関節2)振動を吸収する制震機能-脳を守る骨格ダンパー-
➡関節3)衝撃をブロックする断震機能-関節内圧変動システム-
➡関節4)関節軟骨の神秘-“知的衝撃吸収”機能-
➡関節5)関節軟骨の神秘-驚異の摩擦係数-
➡関節6)潤滑オイルの自動交換システム-滑膜B型細胞の“受容分泌吸収”機能-
➡関節7)関節受容器によるフィードフォワード制御
.
番外編
➡関節は振動エネルギーを熱エネルギーに変える変換装置!?
➡膝関節の内圧は陽圧?陰圧?

 

 昨今、地震対策の切り札として“断震”が脚光を浴びています。これは建物と地盤のあいだに空気を送り込むことで、ホーバークラフトのように建物を宙に浮かせる装置です。センサーが地震を感知すると瞬時に空気を押し出し、家屋を浮かせることで“震動を断つ”ことから、“断震”と名付けられています。

 分かりやすいイメージとしては、『建物の下に敷かれた透明かつ巨大な風船が膨らむことで家を守る』といったところでしょうか。別名“エアー免震”とも呼ばれており、こちらのサイトでその映像を見ることができます。

 実はこれと同じような“断震機能”が人間の関節にも備わっています。エアー免震では“空気”が主役ですが、関節では“水(正確には滑液)”が主役となります。

 関節は関節包と呼ばれる袋に包まれ、その中を水(関節液)によって満たされた準密閉構造になっています。これを“水風船”にたとえると、この中の水圧すなわち関節内圧が機敏に変動することで、関節を衝撃から守っているのです。関節に何らかのストレスが加わると水風船が瞬時に膨らみ、安静時にはしぼむといった具合です。

ひざの関節内圧は陽圧?陰圧?答えはこちら

 ひざの関節内圧は太ももの力を入れると上昇し、力を抜くと下がることが分かっています。しかも「力を抜いたあとは瞬間的に初圧よりも低くなる」という現象が認められます。

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 …… . ……… 会員について