HOME フォーラム 掲示板(臨床関連のご質問・ご相談) ・脊椎圧迫骨折について

・脊椎圧迫骨折について

5件の投稿を表示中 - 1 - 5件目 (全5件中)
  • 投稿者
    投稿
  • #5299
    あっくん
    キーマスター

    ふだんの臨床や医療問題等々…、あっくんの考えを聞いてみたいという方は下から送信してください。

    #5309
    kou348
    参加者

    父親の事でご相談があります。
    利用しているデイサービスで急に腰から背部の痛みを訴えました。
    圧迫骨折を疑いまして自宅で様子を見ていましたがその日の晩に誤嚥により肺炎を起こしてしまい救急車にて中央病院に入院となりました。
    症状も重く肺水腫により元々の心不全も悪化し挿管はしませんでしたが酸素マスクで管理しベッドでの安静を続け、なんとか持ち直し退院出来ました。
    入院時腰の痛みは腎盂腎炎によるものとされレントゲンさえ撮りませんでした。リクエストはしたのですが。

    退院後も腰痛は続いていましたが少しずつ立ち上がれるようになってきたのですが3日前の夜に強い腹痛のため再び中央病院に救急車で受診し原因は解らなかったのですが腹痛も治まったので入院はせず、ついで腰のレントゲンを撮ってもらったら12胸椎圧迫骨折が判明しました。

    今は安静にさせとく事しか思いつきません。BReINのタッチ系やアングラクションをとも思ったのですが少しでも動かすとすごく痛がるので手がだせずにいます。

    ずっとこのままだと廃用が進むのが明らかで、79歳ということを考えてどうしたらよいものか全くわかりません。アドバイスをいただけると助かります。

    よろしくお願いします。

    #5357
    あっくん
    キーマスター

     医学の成書を書き換えねばならないという私のスタンスの原点の一つに脊椎圧迫骨折があります。
     結論から申し上げて、圧迫骨折(椎体の圧潰)イコール「ハードペイン」ではありません。
     高所からの転落での急性圧迫骨折も同様で、椎体の圧潰は痛みの主原因になり得ません。 
     にわかには信じ難い話だとは思いますが、脊椎への急性外傷におけるハードペインの主因は椎体由来ではなく、その他の脊椎構造の損壊(椎間関節や靭帯等)にあります。
     椎体の圧潰そのものがハードペインとして患者に苦痛をもたらすケースは意想外に…、実際は本当に僅少なんです。
     X線画像と臨床所見の相関について、整形勤務時代に私は静的時間軸による解析と動的時間軸による解析を10年近く続けましたが、その結果X線上の圧迫骨折所見の強さ(重症度)と患者の訴え(痛みの強さ)がまったく相関しないこと、無症状の陳旧例と急性外傷の新鮮例の両者のあいだに画像上明らかな違いがないことが分かりました。
     残念ながら日本の整形の多くが依然として静的時間軸での診断オンリーなので、いつまでたっても診断哲学の変革が起こりません…。
    そもそもの話、長管骨と椎体では、単位面積あたりに占める皮質と海綿骨の比重が異なっており、皮質に侵入する血管や神経の構成も違います。
     長管骨での皮質破綻つまり骨折と、椎体での皮質破綻とでは、ハードペイン醸成に関わるデバイス応答がそもそも同じではないんです。
     私に言わせれば、椎体以外の構造性ハードペインを出している生体、あるいはソフトペインを出している生体にたまたま椎体の圧潰が見つかると、「圧迫骨折」と診断されてしまうというのが真相であり、高齢者は軽い尻もちでも圧迫骨折云々というのは大きな間違いです。  
     そのほとんどは椎体以外の構造因子によるハードペインまたはソフトペインです。 
     ハードペインというものは医学の常識よりはるかに短い時間で収束します(自らの足を骨折させる人体実験で実証済み)ので、臨床上問題となってくるケースでは間違いなくソフトペインがターゲットになります。
     さて、今回お父様に何が起きているのか?
     激しい腰痛、そしてその後も消えない痛み、さらに腹痛まで…、これらの現象はこれまで私が主張しているとおり、まさしくうつ病や認知症を回避する役割…。
     今、お父様の脳は必死に戦っている可能性があります。うつや認知症を防ぐために、脳が自ら痛みを出し続けているという解釈です。
     仮にソフトペインでなかったとしても、私の見方が間違っていて本当にハードペインだったとしても、痛みという感覚情報はそれ自体が脳に大きなインパクトをもたらし、実際に危機回避をもたらします。
     年単位に及ぶ痛みは脳の構造にネガティブな変化(萎縮などの変性)を起こす場面もありますが、短期的に強い痛みはポジティブな変化すなわち脳可塑性を誘発して、脳内環境を回復させることがあります。
     夜中に足やふくらはぎがつる現象(こむらがえり)がその最たるもので、あの激痛によって脳疲労が解消されるわけです。
     脳疲労に起因する明確なサイン(痛み)を出すことができない高齢者は、「キラー脳疲労」が水面下でどんどん進行し続けて、昨今報道されているような「ぺダルの踏み間違いや逆走」をしてしまうか、重症寝たきりのうつ病になるか、認知症ど真ん中を突き進むかのいずれかの末路をたどります。
     たまたま他の何らかの病気によって入院加療という形になると、そういう流れがマスキングされて見えづらくなっているだけで、実際には脳疲労の進行具合というものが様々な疾患の陰に隠れているというのが私の見方です。  
     以上の視点を踏まえ、「圧迫骨折だから安静に」という流れをいかに回避するかが一番重要です。
     本人に「骨の問題ではない」ことをきちんと理解してもらい(現状どの程度の理解力をお持ちなのか分かりませんが)とにかく、腰痛の原因が構造的なものでないことを分かってもらうことです。 
     そのうえで、最近のデイサービスで何があったのか、あるいは家庭内、あるいは周囲との関係性、コロナの問題等々本人がどのような思いを抱いているのか徹底して心の内実の扉をノックし続けることが肝要です。  
     場合によってはお母さまから聞いていただいたり、デイサービスの関係者から聞いたり、とにかく本人のメンタルにどんな変化が起きていたのかを知る必要があります。
     もし今のお父様が脳疲労のサインを全く出せなかったなら、つまり痛みやその他の体調変化を露わにできなかったら、そちらのほうがよほど危ないことになっていたというのが私の解釈です。 
     いずれにしても、お父様を直接診察しているわけでもなく、極めて限られた情報からの、私の一方的な推測ですので、何かヒントになるものがあったら、それをご活用いただいてあとはご自身の感覚を最優先になさってください。 
     ご家族皆様のご自愛をお祈りしております。

    #5360
    kou348
    参加者

    たいへんご丁寧な返信恐縮です。
    ということは父の痛みはハイブリッドペインの可能性が高いということでしょうか。
    以前勤務していた公立病院の整形カンファレンスに出席したとき、若い医師が無症候の圧迫骨折を取り上げたら、部長さんが「なんでそんなもの出すんだ」と怒ってまして、なんで?って不思議に思いましたが、今回のご返事を読んで、なんとなく意味が分かったような気がします。
    動的時間軸での診断…、たしかに仰るとおりですね。
    実は父は最近あることで相当に思い悩んでいて、言われてみると思い当たることがあります。
     そのあたりの「扉」ですか…、そういうのあまり得意じゃないんですが、私も試しにノックしてみたいと思います。
     このたびは貴重なアドバイスありがとうございました。
     

    #6515
    あっくん
    キーマスター

5件の投稿を表示中 - 1 - 5件目 (全5件中)
  • このトピックに返信するにはログインが必要です。