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・妻が帯状疱疹になって今も…

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  • #5316
    あっくん
    キーマスター

    ふだんの臨床や医療問題等々…、あっくんの考えを聞いてみたいという方は下から送信してください。

    #5320
    ringo7
    参加者

    お忙しいなか申し訳ありませんが教えて頂きたい事があります。

    妻が帯状疱疹になり腰から左大腿にかけての痛みが強く頭痛と発熱もあった為、5日間の入院となり点滴にて改善しましたが、退院してから1週間以上経った今も痛みが続いているようです。

    担当医から多少の痛みがしばらく残るかもしれないとの事と疲れない生活をせよとの簡単な説明を受けています。これから具体的にどのようなケアが必要なのか、教科書程度の事しか分かりません。

    10月17日から飛行機で私の実家(長崎)に帰省する予定ですが、無理させず中止とすべきなのかも判断つきません。
    先生のアドバイスが私にとって何より貴重です。
    御指導の程宜しくお願い致します。

    #5355
    あっくん
    キーマスター

     私の臨床ルーチンとして、帯状疱疹も例外に漏れず、濃厚な問診傾聴を欠かさず行っていますが、その9割以上にメンタルダメージの先行を認めます。
     つまり発症がストレスになるのではなく、以前から心身環境因子の問題を抱えている生体が、臨界点を超えたときに発症するという時間系列です。
     ですので、教科書的な説明(ストレスによる免疫機能の低下が眠っていたウィルスを再活性化させる)は概ね正しいと言えます。
     しかし、痛みの原因診断とくに帯状疱疹後神経痛(PHN)に関しては、教科書の記述は誤りです。
     PHNの正体は神経痛というハードペインではなく、脳疲労に起因するソフトペインです。
     コロナ後遺症に見られる様々な痛みについても同様にソフトペインです。
     ウィルス感染は、その種類によっては脳のグリンパティック系にダメージを与え、この自律的回復が阻害されるケースがあります。
     グリア細胞由来の脳代謝不全は、現在のバイオマーカーや画像検査では既視化することができないので、原因不明とされてしまうわけですが、今後私が主張する脳疲労の概念(脳代謝機能不全)が科学的に立証されれば、PHNやコロナ後遺症といった類の病態が脳のエネルギー代謝の次元で説明されるはずです。
     もちろん酸化ストレスやミトコンドリアや神経炎症等々、いろいろな表現で説明されることになるでしょうけれども、よりマクロな視点での解釈は、脳全体のエネルギーバランスが崩れた状態すなわち脳疲労が根底にあるという解釈です(脳エネルギーバランスを司る主役がグリア細胞)。
     帯状疱疹においてはその治療プロセス(安静、点滴、入院等)において、脳疲労が解消される幸運な展開であれば、そのまますっきり治まるわけですが、奥様の場合、残念ながら脳疲労が解消し切れずに続いている状態だというのが私の見解です。
     これが正しいとすれば、今の奥様にとって最優先すべきは脳疲労の解消ですので、長崎に行くことが精神的なリフレッシュすなわち脳疲労の解消に繋がるのか、それともかえって気を遣って疲れる可能性があるのか、そういった視点が重要です。
     そもそも奥様の気持ちとして、長崎に行きたいのか、行きたくないのか、といった無意識に近い真の感情も気になるとことです。
     もし本心として本当に行きたいと願っているけれども、今の体調ではむつかしいと感じているなら、「PHNの正体は肉体的な後遺症ではなく、あくまでも脳疲労に因るものだから、気分転換を図って遠出するのも悪くない、いや、むしろそれによって回復が促されるかもしれないよ」と説明してあげるという手もありますし、奥様の真情が「行きたくない」のであれば、「今回は中止しよう」と言ってあげることが回復を後押しするかもしれません(夫の実家に行くというプレッシャーから解放される可能性)。
     いずれにせよ奥様の脳が真に喜び、報酬系が刺激され、心の底からの安堵感や安らぎといった感情が賦活される状況を作ることが何よりも大切だと思います。

    • この返信は11ヶ月、 3週前にあっくんが編集しました。
    • この返信は11ヶ月、 3週前にあっくんが編集しました。
    #5366
    ringo7
    参加者

    お忙しい中ご返信ありがとうございます。
    帯状疱疹後に続く後遺症みたいな症状はすべて脳疲労の視点で説明できるという解釈でよろしいでしょうか?痛みについてはソフトペインだけでしょうか?ハイブリッドペインの可能性はありますか?すみません、よろしくお願い致します。

    #5369
    あっくん
    キーマスター

    そもそも脳疲労という言葉を使用する意図としまして、一般の方、患者さん向けに分かりやすい用語で伝えるためというのがあります。
    医学的な専門用語としてはあくまでも脳代謝機能不全です(近いうちに造語一覧に追加する予定です。以前まで脳代謝バランスの失調という表現を使っていましたが今後はこれに統一します)。
    ところが現状、脳疲労という用語を掲げるグループがいくつか存在し、それぞれに異なる解釈、理論を展開しています。
    私が提起する脳代謝機能不全は大きく分けて2つの要素から成っており、ヒトの脳をパソコンに譬えてソフトの問題とハードの問題に分けています。
    前者は主にデフォルトモードネットワークに象徴される同期性広域ネットワークの問題であり、後者はグリンパティック系に象徴されるグリア細胞の問題です。
    これらによるブレノスタシス(脳独自のホメオスタシス)の機能不全という解釈です。
    帯状疱疹にせよ、新型コロナにせよ、免疫応答の個体差によってブレノスタシスに与える影響は異なりますが、おそらく多くのヒトが一時的に脳代謝機能不全を引き起こします。
    味覚や嗅覚の障害はその分かりやすい例です。
    感染による炎症が消退すると、それに伴って脳代謝機能不全も収束しますが、ここにも個体差があって、すっきり収束というヒトもあれば、そうならないヒトもいます。
    新型コロナの場合、これが収束しないヒトではブレインフォグが生じやすくなります。
    帯状疱疹でもまったく同じメカニズムであり、痛みや倦怠感や食欲不振等々いろいろな症状で出ますが、ほとんど脳代謝機能不全に因るものだというのが私の考えです。
    ハイブリッドペインの可能性もあるとは思いますが、ハードペインの性質上そんなに多くはないと考えています。
    もちろん100%立証は困難な領域ですので、あくまでも私の臨床経験値に基づく主観です。すみません、長々と書いておいて、結局曖昧な回答になってしまいました…。

    #5371
    ringo7
    参加者

    私もコロナ後遺症の中には脳疲労みたいなものが相当に関与しているんだろうなあと想像していたので、PHNとブレインフォグのお話は目から鱗でした。その後、妻と色々話し合った結果17日の帰省は中止することにしました。そのせいなのか妻の体調は回復に向かっています。今回思い切って相談して良かったです。本当にありがとうございました。

    #6514
    あっくん
    キーマスター

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