「絶対医学から相対医学へのシフト」シリーズ
❶〜SDGs+M(医療版SDGs)という視点~
❷〜ワクチン集団接種について考える~
❸〜運動器外来におけるミスリード“絶対矯正”~
❹~線形科学と非平衡開放系の同時併存はあり得ない~

個体差を無視する絶対医学とこれを重視する相対医学

 “絶対医学”は当会による造語で、汎用的かつ絶対的なガイドラインを定めて、これによる一律的な介入を行う医療哲学を指します。保険点数が設定しやすく投薬管理が容易である一方、徹底して個体差を無視する医学だと言えます。

 基本的に現代西洋医学の多くは絶対医学を柱として発展してきました。コレステロール値や高血圧の医療に象徴されるように、年齢や病歴を問わず学会が定めた基準値の下に一律に管理する方式が絶対医学です。

 これに対して個体差を重視する医療体系が“相対医学”です。これは各個人の年齢、職業、体質、家族歴、既往歴、ライフスタイル等々を鑑みて実践されるオーダーメイド医療です。予防医学を含意する多次元リスク管理医療であり、単一基準値に拘泥することなくケースバイケースで各個人に最適な医療を提供します。

 絶対医学、相対医学ともに長所短所(光と影)がありますが、絶対医学における影の領域として、やはりポリファーマシーを抜きにして語ることはできません。

※ポリファーマシー…多剤併用による薬害全般を表す用語。複数医療機関による重複投薬や薬物間相互作用リスク(深刻な副作用)、さらに残薬の問題(薬品ロス)等々。これらは絶対医学ならではの問題と言うことができる。
とくに日本では「Choosing Wisely」が周知徹底されておらず、欧米に比べて取り組みが非常に遅れている。国民皆保険の弊害でもある「薬剤信者の多さ」も含め、日本のポリファーマシーは根が深い。
→関連記事(BReIN減断薬アプローチ)

 絶対医学に偏っている現状は決して医療経済学の面からも好ましいものではなく、相対医学にシフトすべきというのが、当会の考えです。

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