2022年5月、当会は日本脳弾塑性学会という名称を改め、「国際心身統合療法学会」としてリスタートしました。
名称を変更することになった理由と経緯については以下のとおりです。
当会の起源は関節運動学および関節神経学の臨床研究でしたが、やがて脳節相関(脳と関節の相互作用)の視点をきっかけに神経可塑性の世界へ…。
その後、ブレノスタシス(脳独自のホメオスタシス)の観点から、脳過労の回復すなわち脳レジリエンスという概念に逢着したことで、可塑性ではなく、弾塑性という視点(神経回路の再編成と脳レジリエンスの両方)が重要であることを発信すべく、「日本脳弾塑性学会」を創設しました。
当初は海外を意識する視点はありませんでしたが、国外から問合せをいただくようになり、それらにお応えするなかで、当会の理念に深い理解と共感を持っていただける、そういう医療者やセラピストが海外には相当数潜在している可能性が見えてきました。
そこで、当会は活動の場を国際的なフィールドに移すべく、サイトの多言語化に取り組んでおります(6月中に完了させる予定)。
こうした流れのなかで、海外への情報発信を考えたとき、学会名称に関して再考を迫られることに…。はたして現状のままでいいものかどうか。
実は海外では脳レジリエンスという視点はあまり一般的ではない、すなわち脳弾塑性という看板に訴求力がない可能性…。
であれば、それ以外の顔を模索する必要があり、以前からキャッチコピーの一部として使用していた「心身統合療法」という用語が俄かに浮上しました。そうして思慮に思慮を重ねた結果、本用語の響きには相応の説得力があるという結論に達した次第です。
ただし国内の患者にとっては、微妙かもしれません。
「心のケア」に関わる日本の精神文化は依然として高いとは言えず、心理セラピー、心療内科といった言葉の響きに対する無意識レベルの偏見が、いまだに根絶され得ないという現実があります。
したがって、心という文字が看板に含まれることのリスク、すなわちこれを忌避する患者さんが一定数おられるという現実に対して、具体的な方策が必須です。
心身統合療法という概念を世間にアピールするにあたり、同時進行的に人々の偏見を取り除いていく仕組みが欠かせません。心という文字に壁を作る患者たちのバイアス(ヒューリスティック)をいかに取り払っていけるか、このあたりも重要な鍵となりましょう。
たとえば、心身統合療法とセットにして「脳腸相関」のような文言を付加することで、言葉の響きに対するイメージを変えていく戦略…。
以上を踏まえ、「
今後は心身統合療法を国際的なスタンダードにすべく、これまで以上にアクセルを強く踏み込んでまいります。会員皆様の更なるご支援とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
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